全経上級

【全経上級】棚卸資産の評価方法と評価基準

全経簿記上級を勉強中の皆様、こんにちは!

今回は「棚卸資産の評価方法と評価基準」の勉強方法をご紹介致します。

ここでは棚卸資産の評価方法である先入先出法と平均原価法、そして評価基準である低下法について学んでいきましょう。

棚卸資産の評価方法と評価基準とは

評価方法

会計基準では以下の4つの評価方法が認められております。

個別法

取得原価の異なる棚卸資産を区別して記録し、その個々の実際原価によって期末棚卸資産の価額を算定する方法

「企業会計基準委員会 公益財団法人 財務会計基準機構 棚卸資産の評価に関する会計基準より引用 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/tanaoroshi/」

先入先出法

最も古く取得されたものから順次払出しが行われ、期末棚卸資産は最も新しく取得されたものからなるとみなして期末棚卸資産の価格を算定する方法

「企業会計基準委員会 公益財団法人 財務会計基準機構 棚卸資産の評価に関する会計基準より引用 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/tanaoroshi/」

平均原価法

取得した棚卸資産の平均原価を算出し、この平均原価によって期末棚卸資産の価額を算定する方法

なお、平均原価は、総平均法又は移動平均法によって算出する。

「企業会計基準委員会 公益財団法人 財務会計基準機構 棚卸資産の評価に関する会計基準より引用 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/tanaoroshi/」

売価還元法

値入率等の類似性に基づく棚卸資産のグループごとの期末の売価合計額に、原価率を乗じて求めた金額を期末棚卸資産の価額とする方法

売価還元法は、取扱品種の極めて多い小売業等の業種における棚卸資産の評価に適用される。

「企業会計基準委員会 公益財団法人 財務会計基準機構 棚卸資産の評価に関する会計基準より引用 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/tanaoroshi/」

 

計算問題として、個別法と売価還元法の出題頻度は極めて低いです

理論問題対策として、どういった評価方法なのか覚えておくようにしましょう。

 

評価基準

棚卸資産の評価基準である低価法の定義についても覚えておきましょう。

理論問題としては頻出です

通常の販売目的(販売するための製造目的を含む)で保有する棚卸資産は、「取得原価」をもって貸借対照表価額とし、期末における「正味売却価額」が「取得原価」よりも下落している場合には、期末における「正味売却価額」をもって貸借対照表価額とする。

 

上記の内容はどれも理論問題でよく問われますので、しっかりと覚えておきましょう。

棚卸資産の評価で使用する勘定科目

仕入(当期商品仕入高)

繰越商品(期首商品棚卸高)

棚卸減耗費・原価性あり(売上原価の内訳科目・販売費)

棚卸減耗費・原価性なし(営業外費用・特別損失)

商品評価損・原則(売上原価)

商品評価損・臨時の事象に起因し、かつ、多額であるとき(特別損失)

 

棚卸減耗費と商品評価損には、損益計算書において表示する箇所が何パターンか存在します。

基本的に問題文により表示箇所の指示がありますので、その指示に沿った解答をしましょう。

棚卸資産の計算方法

棚卸資産の計算では、損益計算書の期末商品棚卸高と貸借対照表の繰越商品の金額を求めることが目的となります。

棚卸資産の計算にあたり、以下の2点の公式を覚えておきましょう。

「棚卸減耗費=@取得原価×(期末帳簿棚卸数量ー期末実地棚卸数量)」

「商品評価損=(@取得原価ー@正味売却価額)×品質低下品数量+(@取得原価ー@正味売却価額)×期末良品数量」

商品評価損の計算において、品質低下品がない場合には期末実地数量を掛けることになります。

計算方法

手順① 先入先出法または平均原価法により、期末商品棚卸高を計算する

手順② 棚卸減耗費と商品評価損を計算します。

手順③ 期末商品棚卸高から棚卸減耗費と商品評価損を差し引き、貸借対照表の繰越商品を計算する。

 

なお、棚卸減耗費や商品評価損がなければ、損益計算書の期末商品棚卸高と貸借対照表の繰越商品の金額は一致します

主な出題形式のポイント

理論問題のポイント

①評価基準と評価方法

上記に記載のある評価基準と評価方法を覚えておけば、理論問題はバッチリでしょう。

欲を言えば、棚卸資産の種類まで覚えておくとなお良いと思います。

計算問題のポイント

①取得原価が正味売却価額を上回る場合

私はよくこのパターンに引っかかっておりました。

というよりも勘違いしていたと言った方がよいかもしれません。

問題文に正味売却価額が記載されているからといって、必ずしも正味売却価額を使用するとは限りません

正味売却価額を使用するのは、あくまで取得原価が正味売却価額を下回る場合です。

わざわざ正味売却価額が載っているのだからという先入観によって、間違えて正味売却価額を使用することが非常に多かったです。

正味売却価額の使用に関しては、取得原価との関係に注意して解くようにしましょう。

②見積販売直接経費は差し引く

稀に出題されるケースですが、貸借対照表の繰越商品、そして商品評価損を計算する際に見積販売直接経費が記載されていることがあります。

この場合には、必ず売価から差し引くようにしましょう

出題頻度の関係でどうしても忘れがちになってしまいますが、見積販売直接経費というワードを見つけたら売価から差し引くと覚えておきましょう。

③個別法と売価還元法は覚えなくてもよい

個別法と売価還元法の計算問題に関しては出題実績がほとんどないので、全経簿記上級に関しては覚えていなくても問題ないと思われます。

まとめ

理論問題では頻出のテーマでないため、覚えるのは後回しでも構いません。

計算問題は必ずといってもよいほど出題されますので、先に計算問題を学習しましょう。

計算を解くうちに、理論も自然と身につくと思われます。

税理士試験まで見据えてる方々は、理論も計算も覚えておいた方が良い項目なので、しっかりと学習していきましょう。