全経上級

【全経上級】ストックオプションの勘定科目は株式報酬費用

全経簿記上級を勉強中の皆様、こんにちは!

今回は「ストックオプション」の勉強方法をご紹介致します。

商業簿記の計算問題で問われることが多いテーマです。

問題文の中に色んな数字が並んでいることで、混乱してしまう人が多いようです。

ここでは解答に必要な情報を、文中から抜き出す能力を身につけていきましょう。

ストックオプションとは

ストックオプション」とは、自社株式オプションのうち、特に企業がその従業員等に報酬として付与するものをいう

「企業会計基準委員会 公益財団法人 財務会計基準機構 ストックオプション等に関する会計基準より引用 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/accounting_standards/1_10.shtml」

 

「自社株式オプション」とは、自社の株式(財務諸表を報告する企業の株式)を原資産とするコールオプション(一定の金額の支払により、原資産である自社の株式を取得する権利)をいう

「企業会計基準委員会 公益財団法人 財務会計基準機構 ストックオプション等に関する会計基準より引用 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/accounting_standards/1_10.shtml」

 

自社株式オプションとは、新株予約権のことを指しております。

つまりストックオプションとは、新株予約権を従業員等に報酬として付与するもののことをいうのです。

 

念のため、従業員等・そして報酬とはどういったものなのかどうかも載せておきます。

 

従業員等とは企業と雇用関係にある使用人のほか、企業の取締役、会計参与、監査役及び執行役並びにこれに準ずるものをいう

「企業会計基準委員会 公益財団法人 財務会計基準機構 ストックオプション等に関する会計基準より引用 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/accounting_standards/1_10.shtml」

 

報酬とは企業が従業員等から受けた労働や業務執行等のサービスの対価として、従業員等に給付されるものをいう

「企業会計基準委員会 公益財団法人 財務会計基準機構 ストックオプション等に関する会計基準より引用 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/accounting_standards/1_10.shtml」

正直な所、あまり理論問題は出題されないので、覚えなくても大丈夫です。

ただし、ストックオプションとは新株予約権の話だということだけは覚えておきましょう。

ストックオプションで使用する勘定科目

新株予約権(純資産)

株式報酬費用(販売費及び一般管理費)

全経簿記上級では、株式報酬費用という勘定科目はここでしか登場しません。

忘れがちなのでしっかりと覚えておきましょう。

ストックオプションの計算方法

株式報酬費用=公正な評価額×当期末までの月数÷対象勤務期間ー前期までの費用計上額

公正な評価額=公正な評価単価×ストックオプション数(権利確定日前は失効見積数、権利確定日は失効確定数を除く

 

3月決算である当社は、×1年7月1日に以下の条件でストックオプションを付与しました。

×3年6月30日が権利確定日です。

×2年3月31日および×3年3月31日、そして×3年6月30日の仕訳を示しなさい。

 

資料

従業員10人に対し1人あたり10個のストックオプションを付与

ストックオプション1個あたり10株の交付が受けられる

ストックオプションの公正な評価単価は10円

権利行使価額は1株あたり20円

×3年3月31日の失効見積数は1人

権利確定日の失効確定数は2人

 

×2年3月31日の仕訳 株式報酬費用375/新株予約権375

10(公正な評価単価)×10(ストックオプション数)×10(従業員)=1,000(公正な評価額)

1,000(公正な評価額)×9(当期末までの月数)÷24(対象勤務期間)=375(株式報酬費用)

×3年3月31日の仕訳 株式報酬費用413/新株予約権413

10×10×(10ー1)=900

900×21÷24=788(四捨五入)

788-375(×2年度までの計上分)=413

×3年6月30日の仕訳 株式報酬費用12/新株予約権12

10×10×(10ー2)=800

800ー788(×3年度までの計上分)=12

 

失効見積数とは、その会社を退職しそうな人がいると理解してください。

株式報酬費用の計算では、この失効の見積数と確定数を従業員の人数から引くことを忘れないようにしましょう。

なお、上記の資料には権利行使価額が記載されておりますが、これはあくまで権利行使後に必要な数値であり、株式報酬費用の計算には使用しませんので注意しましょう。

主な出題形式のポイント

理論問題のポイント

①出題される確率は低い

全経簿記上級では、理論問題として出題された例は非常に少ないです。

理論問題は捨て問として取り扱って構わないですが、ストックオプションが権利行使された場合には、権利行使に対応する新株予約権を払込資本に振り替えること、そしてストックオプションの権利不行使による失効が生じた場合には、対応する新株予約権を利益として計上することだけは覚えておきましょう。

仕訳にすると、このようになります↓

<権利行使の場合>

現金預金/資本金

新株予約権/資本準備金

<権利不行使の場合>

新株予約権/新株予約権戻入益

上記の問題の権利行使価額はこの仕訳を作る際に使用します。

新株予約権についてはまた別のところでお話できればと思っておりますので、ここではとりあえず仕訳だけ載せておきます。

計算問題のポイント

①対象勤務期間を把握しよう

対象勤務期間は付与日から権利確定日までの期間です。

私もよく間違えていたのですが、上記の計算問題のように付与日=4月1日(期首)とは限りません

年度の途中から付与されている場合には、その期間に対応した分の費用を計上しましょう。

まとめ

私は株式報酬費用の計算が苦手でした。

そもそも株式報酬費用という勘定科目を使用する機会がないので、なかなか頭に入ってきません。

慣れてしまえばどうということはないのでしょうが、とにかく慣れが必要なテーマです。

出題頻度としてはさほど多くはないですが、このぐらいの問題を解けるかどうかが全経簿記上級の合否の分かれ目になりそうです

慣れるまで時間がかかりますが、何度も解いて解答できるようにしておきましょう。