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【全経上級】資産除去債務は頻出問題!しっかり覚えておこう

全経簿記上級を勉強中の皆様、こんにちは!

今回は「資産除去債務」の勉強方法をお教えしたいと思います。

近年では非常によく問われるテーマなので、しっかりと覚えておきましょう。

資産除去債務とは

資産除去債務とは、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものをいう

「企業会計基準委員会 公益財団法人 財務会計基準機構 企業会計基準第18号より引用 https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/aro/」

全ての有形固定資産に生じる債務ではなく、あくまで除去に関して法令または契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものである場合に資産除去債務が生じます

問われることも多いので、企業会計基準はそのまま覚えてしまいましょう。

資産除去債務の算定方法

問題を通して解説します。

ある機械を現金10,000円で購入したとします。

3年後にその機械を撤去するのに、1,000円の費用が発生する予定です。

1,000円は3年後に必要な金額なので、この1,000円の現在価値を算定します。

こうして算定された現在価値が資産除去債務になります

資産除去債務は以下のように算定します。

【資産除去債務=将来キャッシュフロー×1÷(1+r)n乗】

r=割引率 n=発生から除去までの期間

割引率が5%の時、上記の問題の資産除去債務はこのように計算します。

1,000円×1÷(1+5%)3乗=863.8

小数点以下を四捨五入して864円が資産除去債務となります。

仕訳はこのようになります。

機械10,000/現金10,000

機械864/資産除去債務864

機械の金額を10,864と表記しても問題ありません。

このように資産除去債務は有形固定資産(機械)の金額に含めて計上します

資産除去債務の発生時に、その金額を合理的に見積もることができない場合には、資産除去債務を計上することができません。合理的に見積もることが出来るようになったときに、負債として計上します

除去費用の費用配分と利息費用の処理方法

除去費用の費用配分

これは資産除去債務に対応する除去費用を、各期に費用配分するという意味です。

有形固定資産の金額に資産除去債務の金額が含まれているので、これをそのまま減価償却することで、自動的に除去費用を各期に配分することができます

つまりこういう仕訳になります↓

定額法 耐用年数3年 残存価格0円の場合

10,864÷3=3,621.3

減価償却費3,621/減価償却累計額3,621(小数点以下切り捨て)

ハッキリ言ってしまえば、どうせ有形固定資産の金額に含めて減価償却するのだから、資産除去債務に対応する除去費用を費用配分するということを、難しく考える必要はありません。

有形固定資産として処理してるから、その分も一緒に減価償却しなければならない

この考え方で試験的には大丈夫でしょう。

ただし、理論として問われた場合には正確に答えた方が良いので、余裕のある方だけ意味を覚えておきましょう。

利息費用の処理方法

資産除去債務の発生時に現在価値で計上しているため、時の経過により増額させなければなりません。

利息費用の算定方法はこちら↓

【利息費用=期首の資産除去債務×割引率】

864×5%=43.2

仕訳はこうなります↓

利息費用43/資産除去債務43(小数点以下切り捨て)

問題によっては利息費用を減価償却費に含めなさいという指示がある場合があります。

指示がある場合には指示どおりに処理しなければ不正解となります

何も指示がなければ、利息費用で問題ないです。(減価償却費と記入しても正解の可能性があります)

利息費用を減価償却費に含める場合の仕訳はこちら↓

減価償却費43/資産除去債務43

そのまま利息費用という勘定科目を減価償却費にすればオーケーです。

機械撤去時の仕訳

撤去時の仕訳は特に迷うところはありません

減価償却累計額10,864/機械10,864

資産除去債務1,000/現金1,000

いたってシンプルです。

最終的に資産除去債務は将来キャッシュフローの金額に戻りますので、年度の途中で資産除去債務の金額が分からなくなっても、撤去時の仕訳だけは確実に答えられるようにしましょう。

主な出題形式のポイント

理論問題のポイント

①前述した資産除去債務の定義

先程も申し上げましたが、資産除去債務が生じる条件を覚えておきましょう。(資産除去債務とはに記載してあります)

②資産除去債務は固定負債だが、1年以内に履行する場合流動負債になる

これは何が言いたいかというと、以下の仕訳が必要になります。

資産除去債務(固定負債)/資産除去債務(流動負債)

金額の動きがないので分かりづらいですが、表示区分を変更しなければなりません。

ただし実際には金額が変わらないので、仕訳をする必要はありません

考え方だけ覚えておきましょう。

③資産除去債務には両建処理引当金処理がある

これまでご説明してきた方法が両建処理です。

教科書でも引当金処理の説明は特にないのですが、第181回の会計学で問われたので覚えておいた方が良いです。

引当金処理では毎期同額の費用を計上することになります

両建処理は利息費用が発生するのでその点が異なります。

また、引当金処理の場合には資産除去債務が計上されないので、有形固定資産の除去に必要な金額が計上されないことになってしまいます

そのため両建処理が採用されるようになっております。

計算問題のポイント

①定額法ではなく、定率法で問われる

特段難しいことではないのですが、定額法で問われることが多いので、定率法で問われても動揺しないでください

②機械撤去時の費用が増額

3年後に1,000円で機械を撤去できるはずが、1,500円の費用がかかってしまったとします。

その場合の仕訳はこちら↓

資産除去債務1,000/現金1,500

資産除去費用500

まとめ

私がよくミスしていた点を2つ上げておきます。

まずは利息費用の計算方法です。

期首の資産除去債務に割引率を乗じるので、2年度以降は資産除去債務の金額が増加していることに注意してください

最終年度まで計算したあとに、辻褄が合わなくて気づくことがよくありました。

もう一つが機械の撤去時に資産除去債務に集中しすぎて、機械と減価償却累計額の振替を忘れがちだったところです。

機械を撤去するのだから、当然機械と減価償却累計額の金額を貸借対照表から消して上げなければなりません

私は完全に食わず嫌いで資産除去債務が苦手でしたが、覚えてしまえばとても簡単なテーマです。

しっかりと学習して得意なテーマにしてしまいましょう!