全経上級

【全経上級】有価証券の仕訳は種類によって異なります

 

全経簿記上級を勉強中の皆様、こんにちは!

今回は「有価証券」の勉強方法をご紹介致します。

有価証券は、有価証券の種類によって仕訳方法や表示区分が異なります。

慣れるまで時間はかかりますが、頻出のテーマなので必ず覚えておくようにしましょう。

有価証券とは

全経上級で出題される有価証券の種類は全部で4種類です。

 

売買目的有価証券

売買目的有価証券とは、時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券です。

満期保有目的債権

満期保有目的債権とは、満期まで所有する意図をもって保有する社債その他の債権を指します。

子会社株式・関連会社株式

子会社株式・関連会社株式とは、会社の子会社や関連会社が発行している株式を指します。

その他有価証券

その他有価証券とは、上記以外の有価証券を指します。

 

全経上級に関して申し上げると、特に内容まで覚える必要はないです。

名称だけしっかりと覚えておきましょう!

有価証券の勘定科目

売買目的有価証券(流動資産)

満期保有目的債権(流動資産or投資その他の資産)

子会社株式(投資その他の資産)

関連会社株式(投資その他の資産)

その他有価証券(流動資産or投資その他の資産)

有価証券利息(営業外収益・営業外費用)

有価証券売却損益(営業外収益・営業外費用)

有価証券評価損益(営業外収益・営業外費用)

有価証券運用損益(営業外収益・営業外費用)

未収収益(流動資産)

繰延税金資産

繰延税金負債

その他有価証券差額金

その他有価証券評価損(営業外費用)

法人税等調整額

子会社株式評価損(特別損失)

関連会社株式評価損(特別損失)

 

覚える勘定科目が多く、使い分けもとても煩雑です。

特にその他有価証券は苦労すると思いますが、頻出なので全ての勘定科目を覚える必要があります

有価証券の計算方法

売買目的有価証券

取得原価には付随費用を含めます。

「取得原価=購入代価+付随費用」

同一の銘柄を異なる価格で購入した場合には、平均原価法により単価(1単位あたり)を計算します

時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は有価証券評価損益として当期の損益に計上します。

評価差額の会計処理について洗替方式切放方式があります。

 

仕訳

(1)売買目的の有価証券100株を1株10円で購入

売買目的有価証券1,000/現金1,000

(2)別の日に追加で同一銘柄を50株、1株16円で購入

売買目的有価証券800/現金800

(3)50株を1株20円で売却した

現金1,000/売買目的有価証券600 有価証券売却損益400

減少させる売買目的有価証券の金額に注目してください。

1株あたりの単価を平均原価法により計算します。

(100×10+50×16)÷150=12(1株当たり)

平均原価法により算出された単価に、売却金額を掛けて減少する売買目的有価証券の金額を算定します。

12×50=600

(4)売買目的有価証券の取得原価1,400、時価が1,500

売買目的有価証券100/有価証券評価損益100

(5)切放方式の場合の期首の仕訳

仕訳なし

(6)洗替方式の場合の期首の仕訳

有価証券評価損益100/売買目的有価証券100

洗替方式では、期首の再振替仕訳により売買目的有価証券の金額が取得原価に戻っている点に注意が必要です。

満期保有目的債権

満期保有目的債権は取得原価をもって貸借対照表価額とします。

ただし、債権を債権金額より低い価額または高い価額により取得した場合において、取得価格と債権金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法にもとづいて算定された価額をもって貸借対照表価額とします

金利の調整差額の償却方法は2種類あります。

原則は利息法継続適用を条件として定額法を採用することができます。

利息法:利息配分額-クーポン利息計上額=金利調整差額償却額

(利息配分額:帳簿価額×実行利子率 クーポン利息計上額:債権金額×クーポン利子率)

定額法:(債権金額-取得原価)×当期所有月数÷取得日から償還日までの月数

 

資料

×1年4月1日に満期保有目的債権を取得

取得価額900 額面金額1,000 満期日×6年3月31日

実行利子率10% クーポン利子率5% 利払日3月末

 

仕訳

(1)取得日

満期保有目的債権900/現金900

(2)決算日(定額法の場合)

現金50/有価証券利息50(1年分のクーポン利息)

満期保有目的債権20/有価証券利息20

(3)決算日(利息法の場合)

現金50/有価証券利息50(1年分のクーポン利息)

満期保有目的債権40/有価証券利息40

900×10%=90(利息配分額)

1,000×5%=50(クーポン利息)

90-50=40(償却額)

子会社株式・関連会社株式

子会社株式および関連会社株式は、取得原価をもって貸借対照表価額とします。

決算日に仕訳は必要ありません。

ただし強制評価減実価法が適用される場合には仕訳が必要になります。

(1)時価あり+時価の著しい下落+回復の見込みなし

取得原価1,000 時価300の場合

子会社株式評価損700/子会社株式700

(2)時価なし+実質価額の著しい低下

取得原価1,000 時価300の場合

関連会社株式評価損700/関連会社株式700

その他有価証券

その他有価証券は時価をもって貸借対照表価額とします。

評価差額の会計処理は2種類あります。

全部純資産直入法部分純資産直入法が認められておりますので、問題文の指示する方法で解きましょう。

(1)取得原価よりも時価の金額が大きい場合

その他有価証券/繰延税金負債 その他有価証券評価差額金

どちらの方法でも同じ仕訳になります。

(2)取得原価よりも時価の金額が少ない場合

全部純資産直入法

繰延税金資産 その他有価証券評価差額金/その他有価証券

部分純資産直入法

その他有価証券評価損益/その他有価証券

繰延税金資産/法人税等調整額

主な出題形式のポイント

理論問題のポイント

①貸借対照表価額に表示する金額

有価証券の種類によって、取得原価または時価償却原価で表示することになります。

理論問題でよく問われる点なのでしっかりと覚えておきましょう。

②償却原価について

償却原価について問われることが非常に多いです。

上記に記載してありますので、しっかりと答えられるようにしておきましょう。

③全部純資産直入法と部分純資産直入法の違い

両者の内容を逆にして出題されることが多いです。

2つの方法の違いを覚えておくことが重要です。

計算問題のポイント

①満期保有目的債権の原則は取得原価

私がよく間違えていた所ですが、全ての満期保有目的債権を償却原価法により評価する訳ではございません

あくまで取得差額が金利の調整差額として認められる場合のみ、償却原価法で評価します。

試験では取得原価のまま表示するパターンもありますので、気をつけましょう。

②有価証券運用損益

有価証券運用損益は、有価証券の売却損益と評価損益をまとめて表記できるものです。

問題文に有価証券運用損益が使用されている場合には、問題分の指示に従い有価証券運用損益を使用しましょう。

指示がなければ評価損益や売却損益、そして運用損益のどちらを使用しても正解がもらえると思われます。

③部分純資産直入法だけは注意

有価証券で一番厄介なのは、部分純資産直入法でしょう。

必ず評価損を計上することを忘れないようにしましょう。

まとめ

試験では必ずと言って良いほど出題されるテーマなので、全経上級を受ける上で必修のテーマといってよいでしょう。

難しいのは満期保有目的債権とその他有価証券だけなので、この2種類を集中的に何度も解いて練習しましょう。

試験問題に関して申し上げれば、応用問題の出題はほとんどございません。

基礎的な問題が多いので、得点源になりやすいテーマでもあります。

また、パターン化されている問題も多いので、過去問を何度も解いていれば苦手意識もなくなると思います。