
全経簿記上級を勉強中の皆様、こんにちは!
今回は「1年基準と正常営業循環基準」の勉強方法をご紹介致します。
全経簿記上級では理論問題でよく問われますので、特に1年基準については忘れずに覚えておきましょう。
目次
1年基準と正常営業循環とは
覚えてほしいのは1年基準の内容ですが、正常営業循環基準の例外として1年基準が存在しますので、セットで覚えましょう。
正常営業循環基準
この基準は、正常な営業取引の過程にある資産・負債は流動資産(流動負債)とみなすというルールで、資産・負債はまずこの基準で分類し、その次にもう一つのルールである一年基準で分類する
「正常営業循環基準wikipediaより引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E5%B8%B8%E5%96%B6%E6%A5%AD%E5%BE%AA%E7%92%B0%E5%9F%BA%E6%BA%96」
1年基準
一定の債権及び債務のうち、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものとし、入金又は支払の期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産又は固定負債に属するものとなる(企業会計原則注解16)。
「1年基準wikipediaより引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%B9%B4%E5%9F%BA%E6%BA%96」
1年基準はその名の通り、1年以内のものか、若しくは1年を超えるかで表示区分が異なるという原則です。
あくまで正常な営業取引の過程にある資産・負債は、流動資産または流動負債となります。
そして1年基準の対象となるものだけを、流動資産・流動負債または投資その他の資産・固定負債に分類します。
1年基準と正常営業循環基準の勘定科目
全経簿記上級における重要度の高い勘定科目を記載しておきますので、参考にしてください。
正常営業循環基準の勘定科目
売掛金(流動資産)
買掛金(流動負債)
受取手形(流動資産)
支払手形(流動負債)
前払金(流動資産)
前受金(流動負債)
このように一般的に営業上よく使用される勘定科目が、正常営業循環基準の勘定科目です。
今さら覚えるというほどの勘定科目ではないかもしれませんが、前払金・前受金は勘定科目として紛らわしいので再確認しておきましょう。
1年基準の勘定科目
前払費用(経過勘定)
貸付金(流動資産or投資その他の資産)
借入金(流動負債or固定負債)
他にも定期預金などが1年基準として処理されます。
この中で特に間違えやすいのが経過勘定である前払費用です。
経過勘定の中では唯一、1年基準が適用されますので区別して覚えておきましょう。
主な出題形式のポイント
①正常営業循環基準と1年基準の勘定科目
正常営業循環基準と1年基準の勘定科目が、逆になって出題されることがあります。
しっかりと内容を覚えていたら特段難しくはないので、よく使用される勘定科目については丸暗記しておきましょう。
②経過勘定
前述しましたが、経過勘定である前払費用というのが非常に厄介です。
そしてこの前払費用についての内容が、1年基準の理論問題としても最も多く出題されます。
具体的には、前払費用以外の経過勘定と混同させるような問題が多いです。
経過勘定は全部4つあります。
経過勘定のうち、未収収益・未払費用・前受収益の3つは正常営業循環基準が適用されます。
前払費用のみ1年基準の適用となります。
これは今回のテーマの中でも、最も重要な内容になりますので、必ず覚えてください。
そのまま点数に直結します。
③仕訳問題
出題頻度は多くないものの、貸借対照表を作成する過程で出題されることがあります。
借入金・貸付金・前払費用に関しては、その対応する年数を必ずチェックしましょう。
例えば、借入金を計上する際には、必ず短期借入金と長期借入金に区別して計上することが原則になります。
現金/短期借入金
現金/長期借入金
1年以内に返済する借入金は短期借入金、1年を超えて返済する借入金は長期借入金として上記のように仕訳します。
貸付金・前払費用に関しても同様の仕訳になりますので、借入金・貸付金・前払費用の3つは1年基準と覚えておきましょう。
まとめ
正常営業循環基準に関しては、正直覚えることはあまりありません。
営業上の取引は、そのほとんどが正常営業循環基準だからです。
1年基準の内容を覚えておいて、それ以外が正常営業循環基準の対象だと覚えておいた方が遥かに学習効率が良いです。(厳密には異なりますが、覚え方としてこのように覚えておいた方が分かりやすいです)
1年基準に関しては、理論問題にて出題される傾向が非常に強いです。
計算問題では仕訳が重要になりますので、しっかりと短期・長期を区分できるように練習しておきましょう。
また、短期○○は流動資産または流動負債の区分に、長期○○に関しては投資その他の資産または固定負債に表示することも忘れないようにしましょう。